BBC WORLD NEWS:震災から半年後の陸前高田からのレポートに細やかな丁寧さがあった

 BBC WORLD NEWSで週末に組まれてる番組枠、“World Features”。日本で視聴できるCSの番組表だと、土、日、月(午前中)に30分枠が何度も組まれてます。
 この放送枠内で、「Reporters(レポーターズ)」と、U.K.の1週間の主要ニュース「UKレポーターズ(UK Reporters)」が、何度かずつ放送される形。


 “Reporters”は、1週間の「ワールド・ニュース(World News)」などからセレクトされた現地レポートに、スタジオでの解説も交えて構成した番組。“BBC WORLD NEWS”の週間セレクションって言うと、言いすぎかもだけど、そんな趣も感じる番組です。NHK総合(地上波)で週末にやってる「海外ネットワーク」に、構成は似てる(内容はかなり違うと思うけど)。

  • 番組のオフィシャル・サイト(英文)は右に。⇒Reporters


 先週分の“REPORTERS”は、スタジオ・キャスターが、スーダン生まれの女性キャスター、ゼィナ・バダウィ(Zeinab Badawi)。

 放映された現地レポートは、次の5本でした(放送順)。

  • リビアトリポリから、暫定政権側兵士がアフリカ諸国からの出稼ぎ労働者を虐待した、という疑惑」IAN PANNELL
  • リビアベンガジから、カダフィ派政権倒壊後、広がってる表現の自由」JON LEYNE
  • 「フランスで若者の飲酒問題が深刻化か??」CHRISTIAN FRASER
  • 「日本の陸前高田から、津波を生き延びた高校生水泳選手」DAMIAN GRAMMATICAS
  • 「フィリピンのマニラから、電力不要照明の話題」KATE McGEOWN

 「リビアトリポリから、暫定政権側兵士がアフリカ諸国からの出稼ぎ労働者を虐待した、という疑惑」は、トリポリなどで、アフリカ諸国からの出稼ぎ労働者が、カダフィ派傭兵の容疑をかけられ、虐待されてるとの疑惑について。
 暫定政権(国民評議会)側は、制圧した地域で復讐をしないよう兵士たちに呼びかけていて、疑惑のような事件は多くない、としているようだけど。出稼ぎ労働者側は、そうは言ってない様子が報道されてる。カダフィ派傭兵の疑いで収容されてる人たちに、ほとんど証拠が示されていないのも問題、とも。
 この報道は番組で使われたレポートが、BBCサイトにアーガイブにある2分55秒のファイルから観れます。⇒ “Libyan migrants claim abuse from NTC fighters”,IAN PANNELL reports。

 「リビアベンガジから、カダフィ派政権倒壊後、広がってる表現の自由」のレポートは、番組で使われてたより短いファイル(1分6秒)が、右から観れます。⇒ “Libyan artists celebrate post-Gaddafi freedom”,JON LEYNE reports。


 「フランスで若者の飲酒問題が深刻化か??」って報道は、フランスの25歳以下の若者の間に、ただ泥酔するための酒類暴飲が広がってるって報道。⇒ “Under 25s in France turn to binge drinking”,CHRISTIAN FRASER reports。


 「日本の陸前高田から、津波を生き延びた高校生水泳選手」って報道は、レポーターのダミアン・グラアティアス(DAMIAN GRAMMATICAS)による、英文記事と、番組で使われてたレポートの両方が、BBCサイトのアーガイブから観れます。

 このレポートや記事は、陸前高田で被災した高校生水泳選手に焦点をあててますけど、町の人たちの声もちゃんと織り込んで、震災半年後の陸前高田の一面を、細やかに報じてると思います。
 主な視聴者が、世界各国の人だって思えば、この短さで秀逸なレポートと思うな、アタシ。


 「マニラから、電力不要照明の話題」というのは、フィリッピンでは電気料金がとても高い関係で、スラム街を中心に、電気を使わない昼間用証明が広がってるってレポート。
このニュースは、「百聞は一見にしかず」で、右の画像レポート(2分4秒)を観ると、わかりが早いです。⇒ “How water bottles create cheap lighting in Philippines”,KATE McGEOWN reports。