BBC WORLD NEWS:トリポリ(リビア)からの、アブサリム刑務所関連の続報にあたるレポートに観応えがあった

 BBC WORLD NEWSで週末に組まれてる番組枠、“World Features”。日本で視聴できるCSの番組表だと、土、日、月(午前中)に30分枠が何度も組まれてます。
 この放送枠内で、「Reporters(レポーターズ)」と、U.K.の1週間の主要ニュース「UKレポーターズ(UK Reporters)」が、何度かずつ放送される形。
 先週末は、レギュラー番組の他に“World Features”枠でh“9/11 ANNIVERSARY”関連の番組が、ちょくちょく流されてました。


 “Reporters”は、1週間の「ワールド・ニュース(World News)」などからセレクトされた現地レポートに、スタジオでの解説も交えて構成した番組。“BBC WORLD NEWS”の週間セレクションって言うと、言いすぎかもだけど、そんな趣も感じる番組です。NHK総合(地上波)で週末にやってる「海外ネットワーク」に、構成は似てる(内容はかなり違うと思うけど)。

  • 番組のオフィシャル・サイト(英文)は右に。⇒Reporters


 先週分の“REPORTERS”は、スタジオ・キャスターが、スーダン生まれの女性キャスター、ゼィナ・バダウィ(Zeinab Badawi)。

 放映された現地レポートは、次の4本でした(放送順)。

  • トリポリから、国民評議会側の指揮官が、CIA、MI6に、カダフィ政権との協力について謝罪を要求、ってレポート」JEREMY BOWEN
  • 「ニューヨークから、9.11事件の生存者の近況をレポート」LAURA TREVELYAN
  • キューバにあるグアンタナモ収容所の現状をレポート」MARK MARDELL
  • 「フランスのアルプス山地地方から、ハイイロオオカミ対策のレポート」CHRISTIAN FRASER

 「国民評議会側の指揮官が、CIA、MI6に、カダフィ政権との協力について謝罪を要求」のレポートは、ジェレミーオーウェンが、リビアトリポリから報じてきたレポート。
 これは、先に報じられた、アブサリム刑務所の実態解明の続報にあたります。

 トリポリで、旧カダフィ政権が反対派を収容してたアブサリム刑務所で、隠滅を免れた証拠文書の整理がはじまった、って報道は、9月1日にやっぱりジェレミー・オーウェンが伝えたレポートで報じられてた
 で、整理された文書の内から、CIAや、MI6と、旧カダフィ政権との協力関係を証拠立てる文書も出てきた、ってことで今回レポートに。

 番組で放送された、レポートは、BBCのアーガイブから、3分26秒のビデオファイルで観れます。⇒ “Libya rebel commander wants MI6 and CIA apologies”,JEREMY BOWEN reports。

 今、国民評議会派の部隊指揮官として、トリポリにいるアブドル・ハキムは、CIAに拉致されMI6の手で、アルカイダの一員としてカダフィ政権に引き渡された。しかし、アブドル・ハキムは、ジェレミーオーウェンに「自分はずっと、反カダフィ派だったが、アルカイダに加わったことは決してない」って言ってる。
 「自分の拉致は完全に非合法なので(関与者には)謝罪を求める。ことに、『人権を守る戦いをしてる』と称す人たちには求める」と、アブドル・ハキム。

 このレポートは、後半で、MI6の上級職員って人にもインタビューしてるとこが観応えですね。
 多分、先週分を扱った番組で放送された内では、これが1番観応えあるレポートかな。


 先に、「ニューヨークから、9.11事件の生存者の近況をレポート」として紹介したのは、主に、 “9/11 stories: Stanley Praimnath and Brian Clark”(4分46秒)を使ったレポート。
 これは、アルカイダがハイジャックした旅客機に突っ込まれた、世界貿易センタービルから生きて逃れた一握りの人の内の2人、ブライアン・クラーク(Brian Clark)と、スタンレー・プレイムナス(Stanley Praimnath)へのインタビュー。

 どうも、ビデオファイルと番組を観比べると、ビデオファイルの方が、番組で放送されたレポートの短縮版かな?? って気がします。
 まず、番組で放送されたレポートには、レポーターのローラ・トレベリアンが、インタビュイーに話を聞いてるカットも採録されてます。
 それに、ビデオ・ファイルの方は、“9/11: Stories from the embers”ってページからアクセスできる6つのビデオファイルの1つになってるんで。多分、そういう関係で、アレンジされたファイルかな(??)って思います。


 「キューバにあるグアンタナモ収容所の現状をレポート」としたのは、マーク・マーデル(MARK MARDELL)のレポート、“The legacy of Guantanamo Bay prison 10 years after 9/11”(3分56秒)
 この画像レポートは、過去の報道画像などを構成しながら、レポーターが要約解説調のコメントをナレーションの手法で被せてるとこが多い。そこは“Reporters”にセレクトされる現地レポートの中では、ちょっと珍しい。
 そうは言っても、“The legacy of Guantanamo Bay prison 10 years after 9/11(9.11事件10年後の遺産グアンタナモ湾収容所)”って、主題からすると、過去の報道画像などを多用した手法も納得はいく出来ですが。
 それに、レポートの中盤から収められてるCIA上級アナリストのインタビューなどは、なかなか頭の痛い観応えがあって、BBCのレポートらしくなってます。

 関連のビデオファイル探してる時に見つけた、右のビデオファイルは、同じ題材を扱ってても、よりBBCの現地レポートらしさが強い作りと思えます。⇒ “Inside Guantanamo Bay 10 years on”,2分50秒。


 「フランスのアルプス山地地方から、ハイイロオオカミ対策のレポート」は、BBCサイトのアーガイブに納められてる右のビデオファイルで観れます。。⇒ “Grey wolf makes a comeback in France”,CHRISTIAN FRASER has this report,2分53秒。

 これは、フランスでは1930年代に根絶されたかに思われてたオオカミの危害が、今年になってフランス南部のローヌ=アルプ地域圏で度重なってるってニュースです。レポートでは、イタリア方面から200頭ほどが移ってきた、って言ってる。
 クリスチャン・フレイザー(CHRISTIAN FRASER)の手による英文記事が、“Wolf makes a comeback in France”のページでも読めます。

 それから、同じくクリスチャン・フレイザーがレポーターの画像レポート、“French wolf catcher: 'There will always be attacks'”もあります。2分5秒のこちらのレポートは、フランスで対策に動員されてる専門的なハンターへのインタビューをメインにしたもの。

 “Grey wolf makes a comeback in France”にも、同じインタビューの一部が使われてるんですけど。他に、地域の農牧業者や、オオカミの保護をしてる民間団体の人へのインタビューも採録されてて。観比べると興味深いです。