サンデー・フロントライン:今週はアタシ評価で「中の中」
テレビ朝日系で毎週日曜放送されるニュースショー形式の「サンデー・フロントライン」。8月7日放送分は、この番組の普段程度に興味深く観れました。
アタシ評価で大雑把な話だけど、水準的な出来「中の中」。全体を均せば、可も無く不可も無く、的な感じ。
今週スタジオ出演したコメンテーターは、東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋さん、ジャーナリストの青木理さん、毎日新聞論説委員の福本容子さん。ゲストは、青山学院大学教授で元大蔵省財務官の榊原英資さんでした。
さて、毎週、基本的には、概ね3つのパートに大別されてる「サンデー・フロントライン」。
今週の番組構成は、大まかには、次のようでした。
- 最初のパートではまず「復興への思いを込め/東北夏祭りが最高潮」って報道があって、その後、米国債格下げをめぐる一連の報道を。「米国債ついに格下げ/どうなる世界経済?」「とまらない円高・株安/輸出企業に『六重苦』」「米国債格下げの衝撃/世界経済混乱の序章か」と、背景報道や取材報道、観測的な報道が続いてから、ワシントンに駐在してる報道マンの方との中継トークを挟んでスタジオ座談に。
報道画像は要領よく整理されてたし、中継トークでは、U.S.現地の世論みたいなものが観測込みでもリアルタイム感のある形で伝えられて悪くはなかったです。
でも、最後のスタジオ座談は、割と散漫な印象だったと思うな。
ただ、ゲスト解説者の榊原英資さんも、番組側のセミ・レギュラーっぽいコメンテーター、長谷川幸洋さん、青木理さんも、「今の米政府、財政政策は手詰まり、金融政策でも苦戦」、それは「リーマンショック直後の対処が、対処療法的なものだったため。今度は、リーマンショック以降の問題処置の、より根本に突っ込んだ対処が求められる」って見通しでは一致してたみたい。なるほど。
- 2番めのパートは、いつも通り、週間重大ニュースセレクト「これはニュースだ!」。このコーナーについては、後から記してくことにします。
- 3番めのパートは特集フロントラインで、今週は「ニュースの記憶」。「女性失踪!? イエスの箱舟騒動」。これは、アタシ、はっきり言ってピンとこない報道だと思ったな。このパートに限ってのアタシ評価は、悪くもないんだけど「中の下」って感じ。
当時「サンデー毎日」の編集者だった鳥越俊太郎さんの談話が観れたのは、貴重だったかな。
今、この話題を取り上げたのはなぜか、製作者が訴えたいこと、あるいは、問いかけたいことが何なのか、わからないでもないんだけど。レポートの方が、今ひとつ散漫だった気がします。
レポートの後のスタジオ・トークで、「1980年前後の大家族の崩壊」みたいなことを言ってたけど、アタシは、なかなか納得し難かったな。「大家族の崩壊」って、日本では、もっと前から始まってたはずと思うんですよね。
もちろん2次大戦後の話だけど、団地があちこちで作られた時期とかさ。
つまり、「戦後の大家族崩壊の過程」ってことで言ったら、80年代前後って、いよいよ崩壊の最終局面とみた方がいいと思う。例えば、そうしたパースペクティヴが、レポートからもスタジオ・トークからも感じられなかったな。この辺が、「今ひとつ散漫だった」と感じさせた理由かもしれません。
今週の「これはニュースだ!」コーナー:
番組に不定期に出演したりしてる、評論家、解説者、コメンテーターの人たちが、その週の重要ニュースに、1位〜10位の重要度を評価して提起するコーナー。
重要度はポイント換算されて、ポイント集計。週のニュース10を重要度順に整理するって趣向の週間重要ニュース選です。
番組の公式サイトで、どんなニュースがセレクトされたか、読めるけど。
今週は、「世界株安、超円高・・・景気不安」って題された一連のニュースが、番組の重要度1位としてセレクトされてました。これは、今週の番組、最初のパートでも取り上げられた「米国債ついに格下げ/どうなる世界経済?」や「とまらない円高・株安/輸出企業に『六重苦』」などと関連した報道になってました。
経済産業省で、資源エネルギー庁長官、原子力安全・保安院院長と事務次官が“更迭”された、ってニュースだけど。「サンデー・フロントライン」ではない、別の報道番組では、後任者をみると、別に「更迭」にはあたらない、ってコメントもあって。つまり、順当な交代がちょっと早めに処理されたくらいに過ぎないって評価なんだけど。その辺のこと、「サンデー・フロントライン」ではあんまり触れられなかったわね。
今週の「これはニュースだ!」コーナーでは、4位「菅総理“原爆の日”に脱原発依存宣言」に関連付ける形で、国内で稼働中かプロジェクト始動中の自然エネルギー発電の取材報道、再生可能エネルギー法案についてのスタジオ解説も挿入。
これは、事故収束作業が続けられてる福島の事故原発の敷地内屋外で、新たに確認された事象について。
- 7位「大卒2割進路決まらず」
こちらは、文部科学省発表の調査結果についてのニュース。
ちなみに、番組のサイトを見ると、重要ニュース選定者はピックアップしてたけど、セレクトで10位までに入らなかったニュースには以下のようなものもあったそうです。順不動ってことで。
- 「福島、静岡・・・震度5超える地震頻発」
- 「原子力損害賠償支援機構法案が成立」
- 「虐待、DVが背景に? 居所不明の小中生急増」
これは、文部科学省が学校基本調査で表明されたニュース。今年春の数字で、前年のおよそ3.6倍って言われてるけれど。実は、この件について近い過去の調査が大まかだったので、数値的に急増とかって言えるかどうか、あやふやだって、説も聞こえてる。
アタシは、もうちょっと中東情勢重視されていいかな、とも思うんですけど。日本社会の状況的には、まだまだ余裕がないかな。中東情勢より、中国、東南アジアなどのニュースを重視する度合いが高い(「『中国は高圧的』防衛白書」とか)のはわかるし。