NHKBS「ワールドWaveトゥナイト」:18日放送分の“NewsCafe”コーナー「子どもが主役ITで農業支援」が良かった♪

 NHK・BS1の国際報道番組「ワールドWaveトゥナイト」。
 18日放送分の“NewsCafe”コーナー「子どもが主役ITで農業支援」が、良かったです♪

 “NewsCafe”コーナーって言うのは、「ワールドWaveトゥナイト」の内で、言わば「生活文化」的な話題を主に扱うコーナー。
 この日は、8分強ほどのコーナーの内で、7分ほどの現地レポートを流して、残り1分ちょいは、日本のスタジオでのトークを冒頭と末尾に挟むだけ。
 NHKハノイ支局の山田真里さんて方が、レポーター役を勤めた現地レポートが、丁寧でよかったんです♪
 だから、冒頭、末尾の日本スタジオのトークがあっさりしてても、取材報道としてすっきり観れたんだわ。


 18日放送分の「子どもが主役ITで農業支援」は、日本のNGOとIT企業に協力して、米作農業の支援をするプロジェクトを取材。現地の米作生産性を向上させることが、目的だそうです。

 この支援プロジェクト、まだ試験的に始まった段階みたいですけど。農村の近辺に支援センターを設営、近隣30世帯弱ほどの農家の子供が、センターに設営されたインターネットを介して、米作の現状や相談事を日本側のNGOに相談。センターに用意された資料に、ネットを介したアドバイスを添える形で、寄せられた相談に対応していく。

 伝統的で経験的な農法でやってる農家の大人たちに、文字の読み書きを習得してる子供たちが、アドバイスを伝える、って支援。親の世代の農民たちには、識字能力が低いからって、ことだそうです。

 実に地道な試みだし、まだ試験的にスタートしてる段階の試みだけど。いい成果が期待できそうです。


 NHKハノイ支局の山田真里さんて方が、レポーター役を勤められてた現地レポートは、ほんとにマトモだったな。報道レポートとして。
 例えば、支援センターで得たアドバイスカードを家に持ち帰った、少年が、親たちにカードに書かれてるアドバイスを読んで聞かせる光景とかが採録されてたり、そういうとこがマトモだった。


 「ワールドWaveトゥナイト」って、同じNHKのBS1でやってる「ワールドWaveモーニング」や「ワールドWaveアジア」に比べると、NHKの海外総局、支局作成の“現地レポート”の使用が多いのね。
 ところが、この海外総局、支局制作の“現地レポート”に出来が良くない例が目立つんだわ。
 「目立つ」ってのは、全部ではないけど、少ない例でもない、って含みね。


 乱暴に言うと、NHK社内の慣わしで、「記者」と呼ばれてる海外支局の人が「先に、読み上げる原稿を書いてから、それにあわせて画像を編集してる」んじゃぁないの? これ??、みたいな“現地レポート”が、出来の悪い例として目立つんですよね。
 もちろん「先に書いた原稿にあわせて、画像を編集してるんじゃぁ?」ってのは、アタシの印象論ですから、その辺、本当はどうだかアタシにはわかんないけですけど。
 そんなふうに思うくらい、「報道画像としての出来が悪い」例は、目立ってるんだわ。現地レポートに視聴者が期待する、現地臨場感みたいなものが感じられないような類。

 例えば、同じ18日放送分の「ワールドWaveトゥナイト」で、やってた「WHO総会で日本代表 陳謝」って報道が、アタシがここで書いてる出来の悪い例だったのね。「WHO総会の会場風景を映しながら、記者の人のアナウンスで『これこれの議題が交わされました』」とかさー、そんな“レポート”いくらみせられても、視聴者的には、現地臨場感なんか感じられるわけないじゃん。

 だから、「この『記者』の人、取材画像をアナウンスの添え物程度にしかみなしてないんじゃぁないの?」とか、つい勘ぐっちゃう。
 もし、画像を添え物的にしか使わないんだったら、海外支局のスタジオでデスクに座って、原稿読み上げてくれた方がよっぽどいいのよね。でも、それだったら、日本スタジオで、日本のアナウンサーが現地から送られた原稿読み上げても大差ない(笑)。
 そういう意味で、現地レポートになってないような、“現地レポート”が目立つんです、「ワールドWaveトゥナイト」で放送される、NHK海外支局や総局制作の取材画像には。


 一方、「子どもが主役ITで農業支援」の方で、ネットを介して、日本のNGOに相談するため、田んぼに行って、稲の成長具合を実測してる農家の少年とかね、そういうところも画像として撮った上で、説明アナウンスも被せてくれる、現地レポートらしい、現地レポートの方が、取材レポート(画像レポート)として、作りがまっとうです。
 ぶっちゃけ「なーんだ、NHKの海外支局もやればできるんじゃない」とか、思っちゃったな、アタシ。

 もちろん、取材から、放送する画像を仕上げるまでにかけられる時間が、違うとか、そういうことはあるだろうと思えます。
 「子どもが主役ITで農業支援」の取材画像の丁寧さも、それなりに時間をかけた取材になってるよね、って感じは受けた。
 だからって言ってね、「今日やってる会議を速報してるんだから、画像は添え物的でも仕方ない」なーんてことにはなんないわよね。
 添え物的な画像をみせられるくらいなら、視聴者としては、スタジオからでいいから、各種フリップを使ったり、別種の工夫をした報道をみせてくれた方がありがたいです。


 もちろん、「子どもが主役ITで農業支援」みたいな、時間もかけた丁寧な作りの現地レポートを報じてくれた方が、もっとありがたいですけど。
 アタシは、あれこれの不満も感じながら、興味深い報道もみれるから「ワールドWaveトゥナイト」をほぼ毎日観てるけれど。毎日放送する番組としては、無理があるオーバーキャパなことをやろうとしすぎなんじゃぁないか? って気がしてきてます。
 もしそうだとしたら、それは、個々の海外支局や総局がどうこうとか、ここのNHK記者の人がどうこうって言うよりは、どちらかと言うと、番組のディレクターさんとか、番組の方針に無理があるでは(??)って話になるわよね。