福島の事故原発、事故状態収束作業の工程表修正

 17日、東京電力が、福島第一原子力発電所の事故収束に向けた作業の工程表を修正して発表しました。

 複数のメディアで報じられています。


 色々な報道コンテンツがありますけれど、アタシが観た範囲では、NHKの「解説委員室ブログ」で公開された17日付けの記事、「時論公論 『原発事故 見えない収束』」のコンテンツが、コンパクトな読み易さと、充実した要点整理の兼ね合いの点で優れてるように思います。
(科学解説的なコンテンツでは、もっと詳しいものもあると思いますけど、有権者国民が、「事故原発の事故状態収束に向けた作業」について把握するには、とりあえずいいと思うんです)

 「とりあえず」って言うのは、今回の工程表修正は、あくまでも事故収束作業工程見通しの「中間報告」にすぎない、からです。
 その意味では、NHKコンテンツの見出「原発事故 見えない収束」って、タイトリングは、ちょっといただけない、って思うのよね。
 でも「時論公論 『原発事故 見えない収束』」は、細かな難点はあっても、トータルでは、わかりやすくて割といい時事解説コンテンツと思います。


 「トータルでは、割といい時事解説コンテンツ」って大枠の下で、いくつかの記になる難点を挙げておきたいと思います。

 まず、「作業工程表は、最初から、節目節目で修正を重ねる予定で発表されたもの」ですよね。
 福島の原発事故について、東京電力を庇いだてする気はサラサラないですけど。現場の実態が、高い放射線量で実地検証する余地が、これまであまりなかった。
 これまでは、推測、推定で、工程計画立てるしかなかった。

 だから、「節目ごとに修正を重ねる」ことをしてもらわないと、かえってヤバいです。

 「節目ごとに修正を重ねる予定で発表されたもの」について、今さら「見えない収束」ってタイトリングするのは、これは強いて言えば、スキャンダル主義じゃーん。
 民放や週刊誌の見出しならともかく、NHKは公共放送なんだから、もうちょっと冷静な見出を考えてほしーと思うな。

 NHKの記事は、5番めのセクション【工程表への懸念】が、「今日示された工程表に対する評価は現時点ではまだ出来ません。」って結ばれてます。
 アタシは、これも当然と思うんですよね。
 「17日に示された工程表も1ヶ月後なり、なんなりに、再度修正が加えられる」と思ってた方がいいと思うんですけど。
 NHKの解説委員室では、そうは考えてないのかしら??


 記事の内では、1号機の作業予定について「原子炉を冷温停止という水温が100度以下の安定した状態にするという重要な冷却方法に変更が加えられましたが、目標達成時期について変更はありませんでした。」と記されてますけど。

 アタシが思うには、NHKは、ここではオブラートに包んだ書き方をしないで、「次に現場の状態が明らかになって、工程表を見直す時には、目標達成時期を延ばさざる可能性が高まった」とか、書くべきだと思います。
 今回は「目標達成時期について変更はありませんでした。」ですけど、常識で考えればそれって、作業の余裕みたいなものがショートしてるはずだから、「次に現場の状態が明らかになって、工程表を見直す時には、目標達成時期を延ばさざる可能性が高まった」みたいに書くべきだと思う。

 もしかしたら、そんな風に書いちゃった後で、もし、次の工程表の見直し時に目標達成時期が延びなかったら、怒られる、みたいに思ってるのかしら?
 まぁ、報道メディアが、不特定な読者からのクレームを懸念する事情はわかんないでもないですけど。
 クレームを被らないように、それでも、ズバッと伝わるように書くのは、報道のプロならやってほしいなー。

 極論になるかもしれないけれど。怒りたい人には怒らせといて、次の工程表の見直し時に目標達成時期が延びなかったら、「可能性を論じただけですから、作業が予想よりもスムースに進んで良かったと思います」で応じていいと思うんだけど。そんなふうに思うのよね。このケースの場合は。
 そんなふーに思うの、アタシだけ?


 って言うのも、NHKの記事でも触れられてる政府の方の「避難や支援に関する工程表」、こっちだって、福島原発の事故終息作業進捗の影響を被るはずだから。
 大づかみな話、事故収束作業の進捗が遅れれば、被害者の地元帰還だって伸びざるを得ない。

 そんなことは当たり前だから書く必要無い、的に思う人もいるかもしれないけれど。
 アタシは、当たり前と思うようなことでも、わかりやすく書くことを、公共放送にはやってほしいと思うんだわ。