BBC WORLD NEWS:先週の“REPORTERS”は、いつも通り地味だけど手堅い現地レポートが観れた

 BBC WORLD NEWSで週末に組まれてる番組枠、“World Features”。日本で視聴できるCSの番組表だと、土、日、月(午前中)に30分枠が何度も組まれてます。

 “World Features”の放送枠内で、「Reporters(レポーターズ)」と、U.K.の1週間の主要ニュース「UKレポート」が“World Features”枠内で何度かずつリピート放映される形。
 “Reporters”の方は、1週間の「ワールド・ニュース(World News)」などからセレクトされた現地レポートに、スタジオでの解説も交えて構成した番組。“BBC WORLD NEWS”の週間セレクションって言うと、言いすぎかもだけど、そんな趣も感じる番組です。
 NHK総合(地上波)で週末にやってる「海外ネットワーク」に、構成は似てるけど、内容はかなり違うと思う。

  • 番組のオフィシャル・サイト(英文)は右に。⇒ Reporters


 今週の“REPORTERS”で放映された現地レポートのクリップは、次の5本。放送された順に紹介すると、

  • パキスタン港湾都市カラチの世情。同市に拠点を置くイスラム非合法団体の1つにも取材。
  • カイロ(エジプト)の、暫定政権下の世情。
  • リビア空爆に投入されているU.K.空軍偵察機への同乗取材。
  • 石巻(日本)の、震災被災地の児童たちの暮らし。
  • アメリカ(U.S.A.)の、民間宇宙航空企業(スペースX)に取材。


 この週にセレクト放送された現地レポートで、日本人の関心を引くのはやっぱり、「石巻(日本)の、震災被災地の児童たちの暮らし」だろうと思います。

 「石巻(日本)の、震災被災地の児童たちの暮らし」は、英文テキストのレポート記事が、“Japan: After the earthquake and tsunami, back to school”By Roland Buerk のページで読めます。
 同じページ内から、“REPORTERS”の番組でも使われた、2分強の現地レポート画像ファイルもクリックで観れます。

 東日本大震災から2ヶ月が過ぎても、原発事故だけでなく、被災地のその後の様子を報じてくれてる報道メディア、海外にもあるんです。
 それに、一部の大げさな報道だけではなくて、このBBCのレポートみたいに、手堅くて適確なレポートも珍しくはありません。


 この現地レポート、もしかしたら地味めで何の変哲もないレポートに観えるかもしれませんけど。2分強って時間をきっちり使ってるのに、報道の脈絡は、とても追い易い。
 画像で観せることのできるものは画像で観せて、フレームインもするレポーターのコメントは、あくまで画像の補佐なんですよね。

 日本の報道番組で流される現地レポートって、「フレームインするレポーターが、レポートの主役のように振舞ってる」タイプか、逆に、「画像が伝える以上の脈絡をフレーム外からのナレーションが語って、結果として、画像が断片化された素材のようになっちゃってる」タイプが目立つと思うんですけど。
 画像の時間を、地味でもきっちり使い込んだ、現地レポートの手堅さはいいと思います。


 逆に、長めの時間でレポート画像が観れるのは、「パキスタン港湾都市カラチの世情」。
 こちらは、今週の“REPORTERS”の番組で使われた画像の元になったファイルが、“Pakistani attitudes and ambivalence to Bin Laden death” のページから観れます。

 つまり、今週の“REPORTERS”番組中では、上のページから観れるレポートの短縮版が流されたんですけど。元のレポート画像でも、10分弱でしかないです。
 それでも、観てもらえれば、カラチってパキスタン最大の港湾都市が、どんな感じの街か、視聴者にちゃんと伝わるように構成されてると思えます。
 同じようなことを日本のTV報道番組でやると、なぜか20分くらい費やして、なおかつ、散漫になりがちかな、って思うんですよね。アタシの偏見かしら??

 この辺のことは、このところアタシなりに、結構、考えてみてるんですけど。
 今のとこ、多分、取材のテクニックの問題だけじゃないわね、って思ってます。漠然とした言い方になるけど、視聴者の想定とか、報道姿勢とか言うしかないような、基本的な姿勢が違うのかな、って気がしてます。

 後、報道の体制も、きっと違いますよね。
 現地レポートにフレームインするレポーターが、サイトに署名でテキストのレポート記事も公開してるとか、そーゆー体制。