計画的避難区域などについての報道(NHK地上波「ニュースウォッチ9」)

 昨晩(25日)、NHK総合(地上波)の「ニュースウォッチ9」で、事故状態が続いてる福島原発周辺地域の現地レポートを幾つか続けて報じました。


 まず、「原発から5km」の警戒区域(立ち入り禁止区域)内で、警察が行方不明者の遺体確認作業に着手した様子を報道、続けて、警戒区域からの避難民のみなさんの一時帰宅計画について、区域の町村長の方々のコメントが報じられてました。
 番組は、福島県がスタートした警戒区域内での家畜処分の様子を報じ、さらに「計画的避難 住民から不満相次ぐ」って報道に続けられていった。


 「家畜処分」関連の報道では、福島県畜産農業協同組合連合会の参事の方の談話で「家畜を殺処分する場合の保証について、話がまとまらない内に処分が先行することへの不満がある」旨、報じられていました。

 「計画的避難 住民から不満相次ぐ」の報道では、「近隣地域だけでは、避難先になる住居が充分確保できていない」との説明に対し、計画的避難地域の住民代表から非難の声が続出している様子が報じられていました。
 やはりこちらでも、住民代表の方のお一人が、政府や福島県の担当者の人に「保証の話が何もないのに、計画的避難を言うのは無責任」って旨の発言を、説明会の席上、言ってられた様子も報じられました。


 アタシが思うに、「計画的避難地域」の皆さんが、計画的避難に不審感を唱える理由、「難先になる住居が充分確保できていない」や、「保証の話がまだ何もない」ことだけではないだろう、と思えます。

 まず、政府も関連機関(気象庁とか)が、福島原発から流出している放射性物質の分布について、きちんと公表するのが遅すぎました。
 計画的避難地域の方々の間には「こないだまで、安全だ」と言ってたのに、急に「1ヶ月以内で避難」を言われることに対する不審もあることでしょう。

 これは、「短期的な放射線の危険性」と、「長期的に累積していく放射性物質の危険性予測」とによるものなんですけど。その辺の説明、未だに充分ではない、とアタシは思います。
 実際、放射性物質の拡散予想が、原子力安全委員会のホームページ公開される措置がとられたのも、やっと、この25日からのことです。


 それから、アタシが思うには、「計画的避難」を指示される人たち、おそらく「何ヶ月間の避難」なのか、「数年に渡る非難」を考えなければいけないのか、その辺もまだ、はっきりした目処を示されてないように思えるんですね。

 と言うのも、東京電力が今月公表した原発事故対処の作業工程表では、「向こう3ヶ月で、原子力発電機(炉及びタービン)からの放射性物質漏出点を塞ぐ」計画が出されているのですけど。これ、できたらそうしてもらいたいけど、かなり難しそうな見通しになってるからです。

 この件は、3ヵ月後の7月に計画の達成度が確認されて、修正工程表が再度、発表されるべき、と思えます。
 しかし、避難区域のみさんさんには「1ヶ月以内」の避難が指示されてる。
 だったら、いらだつのも当然ですし。反面、もし東電が現行の工程表どおり、9ヶ月で事故を「収束」できるなら、避難先は近隣地域を希望したいって、気持ちもわかります。

 アタシは、計画的避難地域のみなさん、長期的な健康被害の可能性を考えると、避難された方がいいはず、と思います。
 ただ、国や関連当局は「なぜ避難した方がいいのか」「避難しないと、どんな危険があり得るのか」、わかりやすい説明はこれまで十分やってきてない、と思います。

 今からはじめても、遅いことには変わりないでしょうけど。遅くても、説明しないよりはした方がずっといい。

 特に「避難期間の見込み」ですね。これは、言わないと。
 「危ないから避難するように」って言われても、半年避難するのか、1年避難するのか、数年に渡る避難になるのか、それによって、「避難の準備」だって、違ってくるに決まってるじゃぁないですか。