警戒区域設定と一時帰宅

 昨日、事故状態が続いてる、東京電力福島第一原発周辺ついて、半径20km圏内が「警戒区域」に指定されることが発表されました。設定は。本日(22日)の午前0時から。
 複数のメディアで報じられています。

 「警戒区域」は、9つの市町村に渡って、あわせて、およそ2万7000世帯とのこと(NHK報道)。
 立ち入り禁止区域にもなるわけですけど、現地から避難してる人は、手続きをして一時帰宅も可能になる制度が定められる。
 ただ、半径3km以内は一時帰宅も無し(認められない)。津波被害が甚大なエリアも、厳に立ち入り禁止。

 半径20km圏外に計画的避難区域も指定されました。こちらの地域は、「放射線の積算量が年間20ミリシーベルト以上に達すると予測される地域」とのこと。「おおむね1か月以内の避難」が求められる(5月末までに避難終了が目的、だとも)。

 そして、半径20km〜30km圏に出されていた「屋内退避指示区域」が、「緊急時避難準備区域」にシフト。屋内待機指示は解除されるけれど、緊急時には直ちに避難できる準備をしておいてほしい、とのこと。


 福島の原発事故被害者の方々は、怒ったり、悔しかったり、不満だったり、不安だったりすると思います。


 原発事故直後に、「避難地域」(20km圏内)や、「屋内退避指示区域」(20km〜30km)が指定された時も、「なぜそれをしなくてはいけないか」、「指示に従わないと、どんなリスクがあるのか」の説明は不十分だったと思います。
 ただ、アタシが思うには、あの時期は、原発事故の実態も不明点が多すぎて、「万が一の危険を回避するため」と言うしかなかったかもしれない、とは思います。

 けれど、今度は、行政は、なぜそれをしなくてはいけないか」、「指示に従わないと、どんなリスクがあるのか」を充分納得できるように説明するべきだし。報道メディアも、信頼度の高い解説を流すべきと思います。

 だって、東京電力も、事故原発処理の工程表を、色々なリスク要因を孕んでいても、発表できるとこまではこぎつけたんだし。
 原子炉建屋内にも遠隔ロボットなどを使った調査、スタートできてるんですから。


 昨晩、NHK(地上波)で放送してた「ニュースウォッチ9」では、2000年に北海道の有珠山が噴火した時、住民に一時帰宅ルールの必要性を説明した研究者の方の談話が聞けました。
 なぜ制限の必要があるのか、繰り返し説明することが大事ってお話でした。

 「安全のため」って“説明”を一度だけで済ませちゃダメなんですよ。

 なぜ「数時間しか入れないのか」とか、「なぜ、この地域は制限付でも入ってよくて、あっちの地域は立ち入り禁止なのか」とか、大勢の被害者の人が色んな疑問をもつから。だからそれぞれに説明してけば、繰り返し説明する必要も生じるんだと思います。
 それから「ニュースウォッチ9」で放送された談話では、直接言ってたわけではないけれど。
 アタシが思うには、被害者や世間が知りたいことにピントを合わせた説明になるよう、工夫を重ねてもらわないと。説明すればするほど、コミュニケーション・ギャップが広がるなんてことだってあり得る。


 火山噴火は、噴煙とか目に見えるけど、放射性物質は目に見えないとこが難しいかな、と思いますけど。

 はっきり言って、アタシも「緊急時避難準備区域」で「緊急時には直ちに避難できる準備」をする必要性って、わかりやすく説明してほしいですね。
 どんな「緊急事態」が考えられてるのか、をはっきり聞きたい。
 万一の想定にすぎないって前提で、知りたい。

 ちゃんと説明してくんなきゃ、あれこれ怖いことも考えちゃうじゃぁないですか。