統一地方選挙、一部告示

 24日は、2011年の統一地方選挙が一部告示されました。

 東日本大震災の被災地に、告示日が延期されたところもあるけれど、24日には、12自治体の知事選挙が告示されました。
 大分、神奈川、佐賀、島根、東京、徳島、鳥取、奈良、福井、福岡、北海道、三重、の知事選挙です。それぞれ4月10日に投開予定。


 アタシは、神奈川県民で、関心が強いのは神奈川県知事選と、都知事選ですけれど。
 ここに来て、どの地域の知事選でも、「震災からの復興政策」、「災害対策政策」、「エネルギー政策」が、急に選挙の争点として浮上してきてるみたいです。神奈川県知事選でもそんな気配。

 もう1つ、「地方自治や地域連合のあり方」も、争点にした方がいいと思うんですね。そうした視野を持ってる候補者の話は聴いてみる値打ちがあるんじゃぁないかな。


 アタシが思うには、性急な復興プランを唱える候補には注意した方がいいと思います。
 もちろん、被災地、被災者への救援、生活安定化は早急に手厚く処されるべきですし、その方向で進んでいるはずですが。
 今度の統一地方選では、被災地復興のプランも論題に上るかと思います。あるいは、震災が及ばなかった地域の選挙でも、震災からの復興と経済政策は争点になるでしょう。だったら、エネルギー政策もどうしても絡んでくる。


 世界銀行なんかから、「日本の震災からの復興は、少なくとも5年はかかる」って観測が出されてますけれど。
 これは、「震災前の状態に戻るには」「少なくとも5年」って意味ですよね。

 こーゆー意見を聞くと、高度成長時代的なメンタリティのおじさんたちは「だったら3年で」とか言いそうですけど。アタシは、3年×3期、都合9年くらいの長期プランを持たないとダメだと思うんですね。
 特に、エネルギー政策は。

 繰り返しますけど、被災者の方々の救援や、生活安定化は、速やかに進められないといけない。
 けれど、被災地を3年とかで、急いで「旧状」に復せばいいか、というと、それはちょっと違うでしょう。
 特に、今も原発事故に見舞われている福島県や、原発や火力発電所のある被災地のことを考えれば、どうしてもそう思えます。

 今回の震災の影響で、被災地と被災が軽微だった地域と、それから震災が及ばなかった東日本とでは、復興や、エネルギー政策への要求や展望がかなり違ってくるはずです。違ってて当然。
 アタシが思うには、「被災者の方々の生活安定化」は特別枠として、速やかに進められても、震災からの復興や、エネルギー政策の長期方針は、1年かできれば2年くらいかけて議論検討してもらえないと、すぐに国民が困るだろうと思います。

 ここで、中央政府の強力なリーダーシップや統制力を性急に求めるべきではない。政府には、中央官庁はきちんと監督、統制してもらわないと困りますが。それと、地方自治体や民間へのリーダーシップはごっちゃにすべきではないでしょう。
 アタシの意見では、地方自治体や民間に対して、政府に求めるべきなのは、リーダーシップや統制力「ではなく」て、調整能力の方だと思います。

 被災地の世論を良く聴く必要があるし、国会できちんとした議論がなされるべきです。
 さっきは、復興の長期プラン「3年×3期、都合9年くらいの長期プランを持たないとダメ」って書きましたけど。メインのとこは、3年×2期の都合6年くらいで想定して構わないとも思います。
 これだと、世界銀行の「少なくとも5年」と、1年しか違わない。大まかな話し、その1年は議論の期間に充てられると思えればいい。


 ただ、もう1期3年も見積もって、復興を進めていくと生じるだろう不都合の修正期間、調整期間も予め想定しといた方がいいと思います。
 それくらいの心積もりでないと、高度成長時代のわが国みたいに、大企業は栄えてGNPは伸びたけど、狭い国内のあっちでもこっちでも公害が蔓延みたいなことになりかねない。


 で、「被災地の世論を良く聴いて」国会できちんと議論していくためにも、「地方自治や地域連合のあり方」も、選挙の争点になるべきだ、とアタシは思います。そうした視角を持ってる候補者の話は聴いてみる値打ちがあるだろうと思いますですね。

 ついでに書くと、地方選なのに、「中央政府の強力なリーダーシップ」とかを唱える候補者は、落とした方がいいだろう、とアタシは思いますね。
 地方選なんだから、まず「地方自治体にできることは何か」から、それぞれの地域で議論されるべきでしょう。