福島原発事故の話:原子炉の過密敷設は、高度成長政策のツケ

 福島原発の事故は、政府の原子力災害対策本部の指揮下、自衛隊が対処に勤めてる様子が報道されてる。東京消防庁の特別な消防車両も動員されることになったそうで、TVを視聴してる一市民の立場では「がんばってください」と願うしかありません。

 連日の報道では、情報も急速に整理されてきて、今、どんなリスクがあるのか、大分わかり易くなってきたと思います。
 チェルノブイリ原発事故ような危険はもうない。その危険域は過ぎている。これはよかったこと。

 今、対処されているリスクは、昔、U.S.(アメリカ)で起きたスリーマイル島原発事故に類した危機。
 これをなんとか回避できるよう、自衛隊が頑張ってくれてて、東京消防庁も動員されることになったとこ。


 ところで、当初、東京電力が発表していた情報では、スリーマイル的な危機は、もっと速やかに回避されるかにイメージされてたはず。
 なぜ、ここまで手こずることになっちゃったのか。


 詳細な経緯は、事態終息後に精査されるべきですけれど。
 根本的な理由は、限られた敷地に、隣接して4つも炉を建ててしまっていたからでしょう。


 震災がなければ、安全なはずだった。
 震災があっても、炉を囲む建屋が破損しなければ、まだ対処できたはずだった。

 隣接した炉から放射されたガンマ線が、一旦、処理が終わったはずの隣接炉にも影響を及ぼしてて、事態の対処を困難にしてる、と推測するのが、今、何が起きているかを理解する、1番平明な説明だと思えます。

 つまり、1つ1つの炉の安全基準はとても高度なんだけど、それを隣接して設置することで、災害に対する脆弱性が生じてた。


 これは、高度成長時代以降、自民党の長期政権が続けてきた富国政策のツケとしか言えません。
 アタシたち国民が、総意としては、自民党政権の国策を支持し続けてきたことのツケでもある。

 今、こういうことを言っても仕方ない、と思う人もいるかもしれないけれど。
 事態が終息されたら、すぐに、そういう考えで一連の事故の経緯を見直すべきだと思います。
 アタシたち、国民、1人1人が考えて、その考えを投票行動に反映させないと。


 アタシ自身がどう思ってるか、個人的な考えも書いておくと、自由民主党って政党は看板に粉飾があると、ずっと思ってて。実際にやってきた政策をみると、実際には、富国大企業党だったと思ってるんですね。昔からそう思ってました。
 「それがいい」と思う有権者が多かったから、長期政権が続いてたわけですけれど、いい加減、時代遅れになってきたので、前の国政選挙では大敗した。

 これから、日本をどうしていけばいいのか、もちろん、1人1人の国民が考えて投票していくだけですけど。
 アタシ個人が、「自由民主党は実際は『富国大企業党』」と考える立場から思うには。エネルギー政策については、「右肩あがりの供給拡大は当面(5年とか10年とか)狙わず」「横ばいかそれに近い路線を維持」しながら、大きな方向転換を考えないと、しょうがないんじゃないか。
 そう思います。

 例えばですけど、鉄道会社の社屋や駅舎は、全部太陽光発電パネルを敷設するように行政指導する。なんだったら、列車も天井を全部太陽光パネルにするくらいしてもいいのかも(?)。
 もちろん、自治体や政府の建物や公共施設から率先して敷設していく。そうした施策をとることで、「太陽光発電の関連機器の市場価格を安い方に誘導」していく。
 市場の開拓って奴ですね。

 もちろん、太陽光発電だけで、今、求められてるレベルの需要が満たせるか、というと、それは疑わしい。と、言うか、それは無理だろうとアタシも思います。日本は降雨が多い環境だからです。
 けれど、狭い敷地に原子炉を4つとか敷設する無理はしなくても済むようになるかもしれない。ならないかもしれない。

 アタシがここで言いたいのは、やる前から「非現実的」とか言って、あきらめちゃわないで、国会で、きちんと議論していくべき、ってことです。福島原発の事故が終息した後の話ですけれど。

 そのためには、電力族とか呼ばれる類の議員は、どんどん選挙で落選させないとダメだと思うな。特に自民党系の古手の人から。責任云々というよりも、発想が古いから、引退していただくのがいいと思うんです。
 その辺のことが、アタシたち国民が考えるべきこと、だと思います。

 後、資源エネルギー庁や、経済産業省のお役人さんは、大々的にリストラした方がいいと思うな、アタシ的には。
 「原子力安全・保安院」については、解体も視野に入れてメスを入れていってほしいです。ほんとに。
 高度成長期以来のエネルギー政策に関わってきたお役人さんには引退していただいて。お役所も世代交代してもらった方がいいと思います。

 そうした政策を掲げる議員さんが出たら、何党だろうと、アタシは投票を検討してみるわね。