カイロなど、エジプトの騒乱
エジプト北部の大都市で、政府に抗議する騒乱が続いてる。
報道によれば、カイロ、スエズ、アレクサンドリア。いずれも北部、下エジプトの大都市だ。南部、上エジプトの状況は、報道されていないと思えるのだけど、それはまぁ、これだけの混乱のさなか仕方ないことなのでしょう。
北部の騒乱の内、28日(金)までの段階で、BBCやCNNなど、現地に入っている海外メディアが「もっとも激しい」と伝えたのがスエズ。一方、カイロでの騒乱は、金曜日を挟んで、大規模化した様子。
ちなみに、現地からのもの、本国でのコメント報道を含めて、報道が活発なのは、アルジャジーラとBBCと思える。
まぁ、セレクトされた報道観て、そう思うだけだけど。アルジャジーラは、外国放送局としては最大の人数を、エジプトに配備してるらしいし。BBCのエジプト報道が厚いのは、旧宗主国でもあった事情を考えると、わかるよね。
関心のある方は、BBCワールドニュースの日本語放送とかも、ご覧になると、きっと吉。
28日、金曜日にカイロの情勢は、大きなヤマをひとつ越した模様。
現地からの報道では、カイロでの騒乱、一説に当初人数は1万5千人ほど、と報じられてた。これに対して、政府当局がカイロ周辺に配備していた警察隊の人員は2万とも3万とも報じられてた。
イスラムの金曜礼拝の前後に、当初のデモ隊以外に抗議活動の参加者が一挙に膨れ上がって、警察隊が一時撤退。
その後、警察隊と入れ替わるように(?)、エジプト陸軍の部隊がカイロに動員されたのは、どこの報道メディアでも報じられてる。まだまだ、どうなるか予断は許されない状況と思うな。
BBC系の現地報道で「きっかけはわかりませんが、家の内から多数の人たちが街に出てきました」って主旨の報道が印象的だった。
BBC以外でも報道されてるけど、当初のデモ参加者は、学生など、インターネットにアクセスできる人たちが主。けれど、金曜礼拝の前後に人数を膨れ上がらせた抗議活動の新規参加者は、主に、インターネットアクセスなどしていない、カイロ下層の人たちが多数を占めたはず、と思える。
日本のメディア報道では、決まり文句のように「ネットの影響」が言われていると思うけれど。ネットは「きっかけ」ではあっても、「ネットの影響」だけでは、このように短期間に一国の体制を揺さぶるような事態には至らないと思う。
チュニジアの政変があまりに急激だったため、印象も強かったのはわかるけど。チュニジアとエジプトでは、人口も国土の広さも違う。
だいたい、チュニジアにはナイル川みたいな大きな河川は流れてないから、人口は地中海沿岸に偏ってるのよね。つまり、元々、反政府放棄も、文字通りの意味で全国化しやすかったのがチュニジア。その点、エジプトでは、中部、南部の動向がどうなってるのか、気にはなるところ。
その後、カイロでは、警察隊と入れ替わるかのように、あるいは警察隊を補強するかのように、陸軍部隊が動員された様子が、種々のメディアで報道されてる。
まだまだ、どうなってくか、予断は許されない状況と思うな。