都青少年健全育成条例問題の浮動層

 19日付で書いたダイアリー(都青少年健全育成条例改悪が要望された経緯について - 佳那の日記)で、「都青少年健全育成条例問題の浮動層」について、きちんと書く準備が、やっとなんとかできたと思います。

 何度でも繰り返しますが、健全育成条例の改悪は、12月15日の都議会総務委本会議で可決されましたが、施行は2011年の7月からです。そしてその前の4月には統一地方選挙がある。


 アタシが思うには、反対の人は、改悪推進派を攻撃するよりも、浮動層的な人たちを、少しでも多く味方にできるよう、意識して試みた方がいいと思います。
 あるいは、それが無理でも、明確な意思として中間派になってもらう。

 例えば、石原都知事は、多分「変態は可愛そうな人」だとかの差別発言で、「いい人の」ポーズを演じてるつもりだと思います。有権者都民も舐められたものだ、と思いますけれど。
 同じような戦術は、マンガやアニメの規制にも、携帯へのフィルタリング強要にも言える。
 改悪都条令に賛成しない奴は、「遺伝子に問題のある可愛そうな人」なんだってイメージ誘導を試みてる。

 また、石原都知事はこの手のイメージ誘導がお上手なんですよね。
 2001年のことですけど、石原慎太郎は「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です」とか、「男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む能力はない。そんな人間が、きんさん・ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害」「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ」と、あからさまな性差別発言を重ねなた。にも関わらず、2003年の都知事選挙には勝ってしまった。

 この勝利には、対立候補が、石原を「軍国おじさん」などと揶揄したため、中間浮動層が反感を強めたって面があったと思います。
 もちろん、それが2003年の都知事選のすべてを決したとは思えません。
 選挙の争点は、常に複数ありますので。

 だからこそ、2011年4月の都知事選挙までは、複数争点の内で、現都知事の陣営が、「青少年健全育成」を人気取りの道具に使えないようにするのが優先になるのではないでしょうか。
 結局規制反対の意見の人たちにとっても、その方が7月の改悪条令施行までの状況は、有利になっていくかと思えます。
 それから7月までの「最低限」の目標を、青少年健全審議会の審議公開、及び、議案の事前開示に定めるといいと思うな。
 それは行政にやらせるべきだし。そうできれば、条令の恣意的解釈、運用も、かなり制約できると思えます。

 いつも書く、お約束の確認を最後に書いておくと、アタシの立場はレーティングやゾーニングも、「必要悪」としては是認です。ただし、今回改悪された条令には、はっきり反対。

(この記事は、12月21日に書きました)