BBC WORLD NEWS:先週分の「UKレポーターズ(UK Reporters)」は実質、イングランドの都市暴動特集だった

 BBC WORLD NEWSで先の週末に放送された“World Features”では、「UK Reporters(UKレポーターズ)」が、先々週の末から4日間、イングランドの複数の都市で断続した暴動関連のニュースだけを放送してました。
 U.K.の1週間の主要ニュースを報じる番組ですので、当然と思えるんですけど。多面的に報じながら、経緯はわかりやすい構成が、さすが、と思いました。


 番組の日本語同時放送版から、アタシの聞き取りで引用すると−−

「4日間のイギリスでの暴動。きっかけは、ロンドンのトッテナムでの暴動でした。死亡者は5人です。イギリス各地に暴動は波及しました。キャメロン首相は休暇を返上して帰国です。議会は一致団結して、犯罪行為を非難しました。警察の予算削減については、議論は割れています」

−−上は、番組冒頭にナレーションの様に流された、スタジオ・キャスター(KARIN GIANNONE,カリン・ジャンノーネ)の解説コメント。
 次が、番組本編が始まって最初のキャスターによる解説コメント。

「『UKレポート』を、お送りします。今週のイギリスの主なニュースを振り返ります。
 世界は、イングランドの暴動を、驚きをもって迎えました。5人が死亡。巨額の経済損失が出ています。
 発端となったのは、ノース・ロンドンでの暴動でした。数十年ぶりのロンドンでの暴動が起こりました。
 8月4日、29歳のマーク・デュガン(Mark Duggan)さんが、トッテナムの警察に射殺されます。これで、黒人社会に不安が走りました。
 そして土曜日の夜。トッテナムで平和的な抗議が行なわれていましたが、暴動に発展。警察車両2台が放火されました。ハイロードに人々が集まり、暴動が始まりました。ダブル・デッカーのバスや建物にも、放火がありました」

 このコメントのラストのあたりは、放送された画像レポートの頭に被さる感じで、レポートの方に収められた現地からのアナウンスにリレーしていきました。


 グレーター・ロンドンでの暴動は数十年ぶり、少なくとも25年くらいぶり、ってことだそうなんですけど。
 6日土曜の深夜から7日にかけて暴動が散発した時、こんなにあちこちに飛び火するって予想した人は、ほとんどいなかったんじゃぁないか、そう思えます。
 なので、先週分の「UKレポーターズ」が、事実上の重点報道のような形をとったことも当然のことと感じます。


 BBC WORLD NEWSで放送される報道レポート(画像レポート)には、2分とか3分、長くて5分程度に絞り込んで、臨場感のあるコンパクトなものが多いんですけど。
 これらのレポートは、概ね、単体で放送されても「何を報じているか」わかりやすい、単体完成度が高い。

 アタシの偏見かもしれないけど、例えばNHKの報道レポートって、長い割りに、スタジオでのキャスターの解説とか、スタジオと取材先との中継トークを組み合わせないと、「何を報じようとしてるのか」わかりづらい例が目立つ。
 もちろん、取材の題材(モチーフ)がわかんないわけじゃぁないんだけど。きつい言い方しちゃうと、レポートのどこが報道の焦点なのか、ピントがボケてる感じの散漫さが目立つ思う。

 別に「NHKのレポートは、みんな散漫」って言ってるわけではありません。念のため。
 BBCでも、単体ではレポートとしての完成度の低い、現地画像みたいなものもある。けれど、毎週「UKレポーターズ」や、「レポーターズ」にセレクトされるような現地レポートは、短くても単体としての独立性(完成度)が高い、って話。


 今週の「UKレポーターズ」では、各地で取材された現地レポートを長短様々に再編集して、4日間断続した暴動と、その後の関連ニュースを報じた形。
 これは、この番組では珍しいやり方でした。
 それでも、元のレポートが、短く完成度が高いので、各地の暴動が様々な様子が多面的にわかりやすかった気がします。この評価は、アタシの思いいれかもしれませんけれど。


 とゆーわけで、この記事で紹介するBBCのレポート画像は、必ずしも「UKレポート」の番組で放送されたままの形ではないです。
例えば、右は9日の火曜日に最初に公開された画像みたいですけど。「暴動」が、ロンドンだけでなく、イングランド概ね中部の、複数の都市で前後して起きた様子がわかりやすく整理されてる。⇒“UK riots: How the night of violence unfolded”(3分58秒)。

 ちなみに、BBCのサイトでは、“England riots: Maps and timeline”ってページも公開されてて。こっちの記事も、わかりやすい整理になってます。


 まずは、6日土曜日から翌7日にかけての出来事についてのレポート。:

 そして9日から10日にかけてのレポート: