BBC WORLD NEWS：今週はトルコで総選挙開票がある。

　BBC WORLD NEWSで週末に組まれてる番組枠、“World Features”。日本で視聴できるＣＳの番組表だと、土、日、月（午前中）に30分枠が何度も組まれてます。

　“World Features”の放送枠内で、「Reporters（レポーターズ）」と、U.K.の１週間の主要ニュース「UKレポート」が“World Features”のそれぞれが、何度かずつリピート放映される形。
　“Reporters”の方は、１週間の「ワールド・ニュース（World News）」などからセレクトされた現地レポートに、スタジオでの解説も交えて構成した番組。“BBC WORLD NEWS”の週間セレクションって言うと、言いすぎかもだけど、そんな趣も感じる番組です。
　NHK総合（地上波）で週末にやってる「海外ネットワーク」に、構成は似てるけど、内容はかなり違うと思う。

番組のオフィシャル・サイト（英文）は右に。⇒ Reporters

　先週の“REPORTERS”で放映された現地レポートのクリップは、次の５本。

リビア、トリポリで政権が報じる公式発表のプロパガンダ疑惑。
パキスタンで進められている、対民兵掃討作戦。
トルコ、総選挙を前に注目されるアレヴィ派信徒の動向。
メキシコから、近隣諸国にも広まっているカルト宗教。
フランス、ランスの大聖堂修復作業で、ステンドグラス、リニューアルに起用されたドイツ人アーティスト。

　今週の“REPORTERS”で報じられたニュース。日本人だと、海外情勢に興味のある人でも、１番気になるニュースは分かれそうな気がします。

　アタシの個人的な関心だと、「パキスタンで進められている、対民兵掃討作戦」のニュースが興味深かったです。
　これは、パキスタン西部にある部族地域の北部、パキスタン軍が進めているタリバン系民兵集団掃討作戦進展を取材したニュース。部族地域北部のムハマンド地域（Mohmand）の様子。
　ニュースの筋としては、現在パキスタン国内で、最大のタリバン系集団拠点になってる北ワジリスタン（部族地域中南部）まで、パキスタン軍は進軍する予定は無い、って取材結果がレポートされてます。

　BBC WORLD NEWSで放送された画像ファイルは、“US demands Pakistan tackles militants in north Waziristan”で観れます。長さは２分強。
　タイトルの“US demands Pakistan tackles militants in north Waziristan”は、アメリカ（U.S.）政府が、「パキスタン当局は北ワジリスタンに対テロ作戦を展開すべき」と公式コメントしてることを受けてのもの。
レポート終盤、取材を受けたパキスタン陸軍の仕官は「パキスタンは、パキスタン式のやり方で、対テロ作戦を進めていきます」みたいに言ってる。

　今週は、トルコ総選挙の結果発表がある予定なので、もしかしたら「トルコ、総選挙を前に注目されるアレヴィ派信徒の動向」のニュースに関心を抱く人もいるかもしれません。
　このレポート興味深いものだったんですけど、BBCのサイト探しても、番組で放送された画像ファイルへのリンク、探し当てられなかったんですね。
　代わりに見つけたのは、レポートを担当したレポーター、ジョナサン・ヘッドの署名記事（英文テキスト）。“Turkey election: AKP courts the Alevi minority vote”By Jonathan Head

　番組で使われた画像ファイルを探してる途中に見つけた、トルコ総選挙関連のファイルを挙げておこうと思います。

　それから、仮に「リビア、トリポリで政権が報じる公式発表のプロパガンダ疑惑」とした現地レポートに興味を抱く人もいそうですよね。
　このレポートも興味深いレポートでした。
　レポートの最後が。“情報統制がきつくなってるトリポリでは、政府発表のコメントのどこまでが事実で、どこまでがプロパガンダだか、判断しがたくなってます”みたいに締められてる。

　放送された画像ファイルは、“'Dark arts of propaganda' in Libya”で観れます。長さは２分強。

　トリポリで政府筋から発表されるコメントにいかに不審点が目立つか、をしつこく報じてくけど、別にどのコメントが捏造か、とか暴いてくわけではないのよね。こんだけ怪しいとこが多いことをトリポリ政府は言ってますって画像取材していって。その上で、現地に入ってる各国ジャーナリストも判断に迷います、って言ってる。

　言外には、視聴者はトリポリ筋の公式コメントは、よく眉につばつけて聞いた方がいいでしょう、みたいな示唆とも思えるけど。

　その辺も含めて、判断するのは視聴者ってのは、BBCの報道レポートの基本的なスタイルと思うんだわ。
　“Dark arts of propaganda' in Libya”は、ある意味「判断するのは視聴者」が徹底した１本で、そこんとこが興味深かったです。