福島原発事故の話:アタシたち国民が覚えておくべきこと

 16日、NHKなどのテレビで放送された記者会見で、枝野官房長官は、福島原発の事故対策について、概略「現地の情報は、速やかに対策本部に集まるようになった」旨、述べたと思います。
 TVで観てただけなので、細かな言い方は、ちょっと記憶が曖昧です。なので、「思います」と記したけれど、そういう趣旨のことを、枝野官房長官が言っていた様子はTVでも報道されました。

 なるほど、と思って、遡ってネットを検索してみると。
 3月14日付けの日経電子版コンテンツに「枝野幸男官房長官は14日早朝の記者会見で、福島第1・第2原発の現状について『私から(国民に)伝える必要がある情報は上がっていない』と述べた。」との報道もありましたね。

 つまり、菅直人首相が、福島原発の事故対策の指揮を、政府部内の原子力災害対策本部に移管するまで、現地の状況は、内閣にすら、正確にも迅速にも挙げられていなかったのだ、と思えます。
 アタシが思うには、これは、東京電力と、原子力安全・保安院資源エネルギー庁に属す機関)の重大な落ち度だった疑いが、とても強い。


 今、現在は、福島原発事故の、より被害の少ない終息に、集中してもらわないと困りますけれど。
 アタシたち国民は、この「東京電力と、原子力安全・保安院の重大な落ち度」の疑いについて、絶対忘れてはいけないと思う。

 福島原発が危機的な状況から脱したら、ただちに、東電は、なぜああも曖昧な発表ばかりしてたのか、問い正さないと。
 特に、第一発電所の2号機が「空焚き状態」になった14日から、4号機施設で出火が起きた15日にかけての出来事。14日以前の、現場の状態は、きちんと政府に連絡されていなかったのではないか。

 ここでアタシが記しているのは、事故の原因のことではなくて、リスク管理のやり方のことです。

 つまり、「空焚きが起きたのは、津波のせいで、給水用の燃料が充分まかなえなかったからだ」とか、「出火が起きたのは、隣接施設から放射された放射線の効果だ」とか言った理由のことではなくて。
 そっちも、そっちで事態終息後に精査分析されるべきですが。
 それとは別に、「津波のせいでポンプ用の燃料が流された」(のかどうか、アタシは知りませんが)のだったら、「どうして、取り寄せる手配をしなかったのか?」とか、そういう対処の不手際のことです。

 ぶっちゃけ、疑えば、原子炉を囲んでる建屋の内(原発の門の辺りで計れる敷地内ではなく)が、所員を長時間継続配置できない放射線量に、早い時期からなっていて、そのことを東京電力と、原子力安全・保安院は、政府にすら速やかに報告してなかったのではないか? とか、疑えます。

 例えば、「安全のはずが命がけ…怒る自衛隊・防衛省」と見出を付けられた、3月15日付けYOMIURI ONLINEの報道では、実名は挙げない防衛省幹部のコメントとして「安全だと言われ、それを信じて作業をしたら事故が起きた。これからどうするかは、もはや自衛隊と東電側だけで判断できるレベルを超えている」との発言が報じられました。
 この、YOMIURI ONLINEの報じたコメントが語るような状態があったのなら、東京電力と、原子力安全・保安院は、事態の見通しが甘かったのか、あるいは、見通しは持っていたけれど、政府への速やかな報告を怠っていたか、どちらかか、もしかしたら両方かもしれない。
 そうした疑いは、拭えません。


 アタシが思うには、この疑念について、事態終息後であっても、原子炉の現場職員の人たちの責任を追及してもしょうがない。
 追求すべきは、東京電力と、原子力安全・保安院監督責任や、お役所体質の方だろうと思えます。

 アタシたち国民は、事態が終息されるまでは、我慢して、待ってやってもいいけど。決して、この疑惑を忘れてはいけないと思う。
 事態終息後に、東京電力は、原子力災害対策本部が直接乗り出すまで、なぜ、ああも曖昧な発表をしてたのか、原子力安全・保安院が東電の曖昧発表を容認していたのは、どうしてか? そうした組織の体質を問題にすべきだし、追求し解明するよう議会(国会)に働きかけるべきです。