BBC WORLD NEWS:先週の“REPORTERS”“This Week”(World Features)

 BBC WORLD NEWSで週末に組まれてる番組枠、“World Features”。日本で視聴できるCSの番組表だと、土、日、月(午前中)に30分枠が何度も組まれてます。実際は、「ウィークエンド・ワールド」、「今週を振り返って(This Week)」、「UKレポート」、他から、セレクトされたプログラムが“World Features”枠内で何度かずつリピート放映される形。
 “This Week”は、「今週のワールド・ニュース」って感じのプログラム。
 “Reporters”も、“World Features”枠で放送される、報道クリップセレクト番組。こっちはキャリアのあるレポーターの現地レポートをセレクト。“This Week”でリピートされるニュースよりも長めになってると思います。

 この週末は、“REPORTERS”や“U.K.REPORT”はやったけど“This Week”はやらなかった(??)。先週も先々週もやらなかった気がしてて。もしかしたら、アタシなんか勘違いしてる??
 もしかして、“This Week”は、元々“World Features”の枠じゃぁないとか? ……ちょっと調べてみましょう。


 ともあれ、先週末から今週月曜にかけて放送された“Reporters”。先週やった“World News”から選りすぐられたはずの、次のような報道クリップが放送されました(放送順)。
 今週のメイン・キャスターはデヴィッド・イーデス(Devid Eades)。彼が、世界各地の現地レポーターが報じた報道クリップを、スタジオから紹介する編成です。

  • アメリカ主体のアフガン侵攻から10年近く」という前振りで、北部アフガン、バグラム州で武装反政勢力に対して、攻勢に出ている警察隊にBBCのレポーターが同行。「警察隊」といっても、見たところSWAT以上の重武装ですね。レポートの趣旨は「国際治安維持部隊の撤収が(将来)終了した後、アフガニスタン政府の治安部隊は、反政府勢力に対処していけるのでしょうか?」といったもの。U.K.から派兵された舞台は、2015年撤収終了予定だそうです。
  • 「中国政府が、緊急の旱魃対策に10億U.S.ドル相当をかけようとしている」との報道。ことに北部の旱魃が酷いとも伝え、都市拡大に伴い「地域によっては地下水も数十年で枯渇する」との指摘もあることも報じた。
  • エジプトの政変を踏まえて「ハマスが統治しているガザ地区の様子」や、「イスラエル国の懸念」を伝える報道。
  • 「U.K.軍(空軍??)に、パラシュート降下の訓練を疑似体験で処理するシミュレーターが導入された」との報道。


 今週の“Reporters”では、最初に報じられた、アフガン警察隊の北部での活動が興味深かったです。
 南部とはかなり状況が違って、警察隊も国際治安維持隊の協力を得ずに頑張ってる様子。ただ、抵抗があまり激しくない地域を選んでいる可能性は高いですが。
 村を1つずつ攻略していって、村ごとにタリバンのメンバーにタリバンから離脱するように説得。説得に応じないと交戦、ってことで、きわめてジックリと進んでいく様子でした。
 それぞれの村にタリバンのメンバーが一握りしかいなくて、各村のリーダー数人が政府側に寝返れば、配下もタリバンを離れるってことで、こうした交渉も警察隊の部隊長がやるんですね。

 BBCのレポーターは、「アフガニスタンの戦争は複雑で、よくわからないことが多いです」と、率直に言ってましたが。日本人であるアタシたちには、大まかであってもイメージできるはず。
 タリバンは「バシュトゥーン人至上主義の民族主義集団」って、言われますし、アフガニスタン自体、部族的な関係がまだ根強い国なんですけど。
 要するに、「源平藤橘」を今でもやってるようなもんです。

 「村のリーダー数人が政府側に寝返れば、配下もタリバンを離れる」とかが、BBCのレポーターには不思議らしいけど、これとか一族郎党と思ってもそうは遠くない。
 あるいは、BBCのレポーター、ある村のタリバンのリーダーが警察隊の隊長と「どうやら親戚らしいです」とかいぶかしがっていましたけど。これも、たぶん、同じ部族に属すとかなのでしょうね。


 ともあれ、自国政府(U.K.政府)は、2015年にアフガンから派遣舞台を引き上げる予定だけど、それでアフガニスタンは大丈夫なんだろうか?と、状況を少しでも先取りして、視聴者に考える材料を提供しようとしている報道で。好感が持てます。
 ガザ、イスラエルについての報道も、狙いとしては同様だったはず、と思えるんですけど。こちらは、さすがにまだ状況が流動的で、ちょっと散漫な報道になってたかな。