NHK「ハートをつなごう」ゲイ/レズビアン特別編

 21日(月)、22日(火)は、地上波のNHK教育でやってる番組「ハートをつなごう」で、「ゲイ/レズビアン特別編」として、5人の子供を育てられたレズビアン・マザーのカップルの長期取材画像が放送されました。

 このカップルは、2人の離婚した女性が、それぞれ連れ子を伴ってカップルになって、30年以上一緒に暮らしてきてるという、お2人。
 以前は、自分たちのことを世間にアピールすることはなかったのだけど、最近心境が変わってきた、的なコメントが、ご本人たちの口から語られる。

 5歳年長の女性が、乳癌の手術をされて、「先に逝っちゃう可能性が、結構高い」「そういうなかで、これ(取材)はやっとかなくちゃ」「二人で生きて持ってた力みたいのが、(カミングアウトしないで、先に死んじゃったら)、余計わかりにくくなる」って語られる思いは、すごく伝わってきた。
 この言葉の間に「わたしたち透明人間みたい」って言葉も聞かれて、こことかも、性的マイノリティーにはよくわかるとこ。


 アタシは、悪い番組ではなかった、と思うし、むしろ、地味なだけにいい番組だったと思います。
 カップルのお2人の30年の家庭維持には、正直、頭が下がるし。記録された、お子さんたちのコメントにも好感。何より、取材画像の内に納められた、大きな悲しみも分かち合ってるお2人の様子は心をうつ。
 後、個人的には、前編の冒頭紹介された、ご近所のお婆さんにある日「あんたたちは、どんな兄弟よりも夫婦よりも濃いのぅ」としみじみ言われたってエピソードは、心に染み入ったわ。
 それとか、お二人の他愛のないような言いあいとかが、可愛らしくってラブラブな感じで、ほっとするの。


 欲を言うなら、スタジオに取材スタッフを招くと、番組としてはよかったと思うな。
 「ハートをつなごう」の番組では、例えば、引きこもりな人とか、就職浪人の人とか、その回のテーマに応じた人が、スタジオに招かれて、キャスターやコメンテーターとやりとりすることが多いけど。
 取材に応じられた初老のお2人が、その上スタジオにまで出るのは億劫だったろうと思います。アタシの勝手な推測ですけど。

 その代わりって言ったらなんだけど、スタジオに取材クルーを代表者だけでも招いて、キャスターやコメンテーターとやりとりするとよかったと思うな。取材画像の補足的なコメントとか、あるいは(できたら)放送分には使えなかったようなちょっとしたエピソードとか聞ければ、もっと印象深い放送になったんじゃぁないかしら。

 せっかくスタジオに集まったコメンテーターたちが、取材画像を拝見して感想を言うだけではなくて、視聴者の気持ちを1部でも代弁するような感じで、取材者に質問をできれば、よかったと思うのです。
 この番組、やっぱり、異性愛者の人たちと、LGBTの人たちとでは感じ方が随分違うと思うんだわ。
もちろん、人それぞれに感じ方は違うでしょうし、それは構わないと思うんですけど。
 人それぞれの感じ方の違いも含んで、異性愛者の人の感じ方」と、「LGBTの人たちの感じ方」では、やっぱりどうしても傾向みたいなものは生じるはず。


 はっきり書くと「透明人間」てコメントのところとか、異性愛者の人には、伝わりづらいだろうと思うのです。
 その辺を、スタジオでの会話で補えれたら、もっといい番組になったと思うんです。