エジプトで穏便革命

 昨晩、25時(1時AM)頃、寝ようと思ったら、BBC WORLD NEWSに、「ムバラク大統領辞任」の速報(BREAKING NEWS)が入ってきた。

 どうなることかしら、と心配半分、野次馬気分半分で観てきたカイロの騒乱。
 おっきな動きの速報だし、やっぱり速報観るじゃん。

 副大統領に指名されてた人(スレイマン氏)が、大統領辞任したってアナウンスをTVで流した直後、解放広場を埋め尽くした大勢の人たちが一斉に、喜んで歓声をあげるのね。
 ロング構図の報道画像で観てても、広場が震えるようなどよめきなんだけど。喜びの声なのだわ。


 今年の1月下旬から起きた、エジプトの政変は、ムバラク大統領の辞任によって、旧憲法の停止という形で1つの決着がついた。
 さほど間をおかず、エジプト軍の最高評議会が、暫定政権発足の公式ステートメント発表。このステートメントの内には、2、3注目すべきポイントがある。
 まず「暫定政権が、エジプト国民の正式な信任を経たものではない」と自ら認めてる点。つまり、あくまでショート・リリーフで、憲法改訂と民主選挙を管理するための緊急措置だ、と自ら認めてる点。

 旧憲法が停止され、憲法改訂が日程に上げられたのだから、カイロを中心にしたエジプトの政変は、文字通り「革命(体制変換)」を全うしたことになる。


 思うに、驚くべきなのは、この体制変換に至る過程で、タハリール広場を拠点にした批判派が、集団として示した自制心でしょう。驚くべきだし、賞賛させるべきだと思う。
 確か、ムバラク支持派勢力が解放広場に乱入しての小競り合いが一応落ち着いた8日頃のことだったと思うけど。NHK・BS1で放映してたフランス・ドゥの報道が印象に残ってる。パリの街頭インタビューだったはずだけど、マイクを向けられた通行人が、カイロの反政府抗議活動は、フランス大革命よりも遥かに穏便でいいんじゃないか、って主旨のコメントを述べてた。
 1人とはいえ、おそらくはパリ在住のフランス人に「大革命よりも穏便」と言わせるなんて、カイロ市民やるわね、って感じ。