公明党の不思議な石原都知事評価

 12月20付けの読売ONLINEのコンテンツで、山口公明党代表が、石原都知事を評したコメントが報じられてます。
 山口代表は、20日のテレビ番組収録で、来年3期めの任期満了を迎える石原慎太郎東京都知事について、「非常に大きな足跡を残された。十分合格点を与えていい」と評したそうです。


 新銀行東京の失敗や、オリンピック誘致の失策を考えただけでも、山口代表の評価は、理解し難い。
 読売の報道によれば「仮に石原氏が4選を目指す場合は、『自民党と相談する。年齢だけでなく総合力を判断すべきだ』と支援に前向きな姿勢を示した。」ともあって。
 少なくとも、公明党は、来年(2011年)4月の統一地方選挙で、石原現知事が知事選出馬しても集票力がある、と目してるらしい。
 どの程度の目算なのかは、定かではないので、もしかしたら山口代表のコメントも、観測気球的な狙いもあったかもしれないけれど(??)。


 1932年9月生まれの石原氏は、1999年の地方選で大勝して、66歳で都知事に、2003年、2007年と再選を重ね、2010年の12月現在で、78歳。
 都政の行政長を12年間、勤めてきている。

 もともと排外主義、男性中心的な性差別、子供や未成年の自己決定能力に抑圧的な教育論など、偏った主張の多い人なんだけど。
 近年、偏った主張と、実績とのギャップがどんどん広がってると思える。
 例えば、新銀行東京の失敗を、自分が担当してれば上手くいったんだ、と開き直ったような主張をしたり。発想も思想も現状とミスマッチになってるとしか思えない。
 例えば、都立の児童養護施設を複数廃止しておきながら、青少年の健全育成を唱えるなど、言うこと、やることが食い違ってる。

 ただ、アタシが思うには、多分、ご本人は「主張と、実績とのギャップ」を認知されていないんじゃぁないかしら。さっきは、新銀行東京の失敗を、自分が担当してれば上手くいったんだ、みたいに言った件を「開き直ったような主張」と書いたけれど。実は、ご本人心の底からそう考えてるんじゃぁないか、って気がする。


 現在、開催が危ぶまれている第4回東京国際アニメフェアにしても、イベントの実行委員長である石原氏が、しかるべきタイミングで、自ら実行委員長を降りてれば、ボイコットに出た企業も出展を考えたと思うな。だって、そこで突っ張ったら、あまりに企業イメージにマイナスになるから。
 もちろん、ボイコット企業に対する暴言を石原氏が重ねちゃった今、もはやそうしたチャンスは失われてると思える。
(念のために書いておくけれど、当初、出展中止に踏み切った企業の中止理由は、「企業が関係するクリエイターたち――、マンガ家やアニメーターたちに対する都側の対応に納得がいかない」というものだった。これは石原都知事が繰り返してきた暴言を考えれば、無理もない理由。
 その後、出展中止企業が10社になって、「改悪健全育成条例に反対」の旗色が明らかにされた経緯だけど。
 都側だって、ごり押しで、ずさんな条文を可決「してから」、どんな類の商品を規制するかは、これから出版社に示したい、とかヌケヌケと言ってるんだから、どっちもどっちだと思うな)


 ともあれ、こんなふうに政治的な判断力が衰えてて、なおかつご本人にその自覚のない現知事が、万一4選を果たしたとしても、これまで以上の失策を重ねるだけだと思えます。
 有権者都民が、それでいいはずがない、と思うけどな。

(この記事は、12月23日に書きました)