BBC WORLD NEWS:先週の“REPORTERS”

 BBC WORLD NEWSで週末に組まれてる番組枠、“World Features”。日本で視聴できるCSの番組表だと、土、日、月(午前中)に30分枠が何度も組まれてます。

 “World Features”の放送枠内で、「Reporters(レポーターズ)」と、U.K.の1週間の主要ニュース「UKレポート」が“World Features”枠内で何度かずつリピート放映される形。
 “Reporters”の方は、1週間の「ワールド・ニュース(World News)」などからセレクトされた現地レポートに、スタジオでの解説も交えて構成した番組。“BBC WORLD NEWS”の週間セレクションって言うと、言いすぎかもだけど、そんな趣も感じる番組です。
 NHK総合(地上波)で週末にやってる「海外ネットワーク」に、構成は似てるけど、内容はかなり違うと思う。

  • 番組のオフィシャル・サイト(英文)は右に。⇒ Reporters

 今週の“REPORTERS”で放映された現地レポートのクリップは、次の4本。


 この週にセレクト放送された現地レポートで、日本人の関心が高いのはやっぱり、「パキスタンのアノッタバードから、ウサマ・ビン・ラディン潜伏先の検証報道など」の現地レポートじゃぁないかと思います。
アタシも興味あるしね。


 このレポート、アボッタバード現地のパートが、簡単な検証レポートになってて、レポーターは「U.S.政府が、ビン・ラディンがここに潜伏していたことをパキスタン当局が知らなかったとは思えない、としてることは理解できます」みたいに言ってる。
 後半は、パキスタン政府の動向レポートにうまくつなげてるけど。前半の検証が簡単でもきっちりしてるからだと思います。

 日本のメディア報道みたいに断定的ではないけれど、だからと言って、「ここまでは確か」とか「ここがわかんない」とかってことは、レポーターの責任できっちり言うからだと思うな。

 例えば「パキスタンの情報機関は2003年に問題の建物を捜査していたけど、ビン・ラディンはいなかったとしてるし、以降捜査対象からはずしてた」とか、「パキスタン軍の仕官学校がある(このことは日本のメディアでも報じられてる)アボッタバードでは、住民はみんなIDカード(身分証)をいつも携帯してて、どこに誰が住んでるか周知」とか、そーゆー現地ならではのコメントが興味深いんだわ。

 日本のメディア報道ではあまり見かけないけど、米軍特殊部隊がビン・ラディン潜伏地を急襲する作戦をした時、パキスタンの当局も一帯へのアクセスを封鎖する側面支援をしてた、って話もあるのよね。
 これは、パキスタンの元情報局長が、BBCの“HARD TALK”に出てとき、自分で言ってた話。

 “HARD TALK”に出演してた元情報局長のアサド・ディラニ氏(Asad Durrani)は、「パキスタン政府は、米軍特殊部隊の作戦がいつ行なわれるかは知らなかっただろうけど、側面から支援した可能性はある」「パキスタン政府が、何らかの軍事作戦実行を、まったく知らなかったとは考えづらい」みたいなことを言ってた。
 とても微妙な言い方で、ボカされてたけど、アタシが思うには「イスラム過激派の大物を急襲する」とか言って「ビン・ラディン殺害作戦」とは知らせずに、パキスタン当局の一部の協力を取り付けてたとか、そんなことも可能性としてはあったかもしれない? くらいの感じ??


 一方で、アボッタバードの住民の大多数が、ビン・ラディンが潜伏してたとは信じてなかったり、死んだとも信じてない人も大勢いるってレポートも面白いです。
 “Osama Bin Laden: Pakistan's scepticism over videos”のページから観れるレポートは、NHK・BSの「ワールドWaveモーニング」でも紹介してたかな、確か。
 ちょっと似た話題だけど、別の現地レポート画像ファイルを、“Abbottabad residents call for Osama Bin Laden evidence”のページから観ることもできます。
 どちらも面白いけど、“Reporters”にはセレクトされなかったのだわ。


 ほんとは、日本人なら「韓国から、アムネスティ・インターナショナル北朝鮮で政治弾圧が強まっていると主張」のニュースとかに関心示さないといけないかもしんない、とかも思うけど(笑)。

 こちらのレポートは、北朝鮮で新しい政治犯収容所ができてるって分析をしたアムネスティ・インターナショナルが、首領様の代替わりに際して政治弾圧が強まってるって推定を主張。BBCは、政治犯収容所に収監されてた経歴があるという脱北者にもインタビューをする、って構成のレポート。
 取材のバランス感覚のよさに感心しました。つまりレポートのまとめ方が、一面的ではないとこに感心したの。